Ti-Ni-Zr高成形性形状記憶合金のマイクロ折りたたみ構造の作製

摘要

Ti-Ni系高成形性形状記憶合金（high formable shape memory alloy：HFSMA）は，非晶質で作製すると薄膜金属ガラス（thin film metallic glass：TFMG）の特徴である，過冷却液体域で粘性流動特性を示し，従来のTi-Ni系形状記憶合金では困難な任意形状への成型加工が可能となる．成型加工後，結晶化させることで形状記憶合金へと変化する．Ti-Ni系形状記憶合金は，超弾性·形状記憶特性を示す機能性材料で，アクチュエータ材料や歯列矯正ワイヤやステントなどの医療用機器や様々な分野に応用されている．本合金を用いることで従来にない形状の形状記憶合金デバイスの実現が可能となる．これまでに我々は，Ti-Ni系高成形性形状記憶合金の材料探索やマイクロ成形加工法について報告してきた．本研究では，折りたたみ可能なパイプ形状の作製を目指し，Ti-Ni-ZrHFSMAのマイクロ成形加工性，結晶化後の形状記憶特性，およびパイプ形状の作製のためのTi-Ni-Zr SMA同士の接合特性について評価を行った．