放電プラズマ焼結法によって作製したTi-Alメカニカルミリング粉未反応焼結鍛造体の硬さに及ぼす熱間等方圧加圧加工の影響

摘要

本研究は，TiとAlの素粉末を混合してメカニカルミリング（MM）した粉末を用い，放電プラズマ焼結法（SPS）により，比較的低温下で短時間の内に，緻密かつよく反応し，熱間加工性および強度特性に優れる反応焼結鍛造体（TiAl基金属間化合物）を作製することを最終目標とするものである．著者らは，先行研究で，MM粉末を用いて，放電プラズマ焼結法により，反応焼結鍛造実験を比較的低温下（1073K）で，鍛造時の圧下速度に高低の定ひずみ速度条件（1×10~(-2)s~(-1)または2×10~(-3)s~(-1)を選定して行っている．その後，熱間等方圧加圧加工（HIP）を高ひずみ速度条件（1×10~(-2)s~(-1)）で作製した反応焼結鍛造体に対して行い，反応焼結鍛造体の性状に及ぼすHIP 処理の影響について調査した．その結果，鍛造後の段階で反応は終了し，相対密度も真密度に近い反応焼結鍛造体が得られることがわかった．しかし，周辺に割れが発生したものや内部に気孔を残したものも見られ，反応焼結鍛造体の性状に若干の不安定さが認められた．そこで本報告では，より低い定ひずみ速度条件（2×10~(-3)s~(-1)）で作製した反応焼結鍛造体に対して，同様にHIP処理を行い，高ひずみ速度条件の場合と比較検討した．