SOFCトリプルコンバインドサイクルによる独立マイクログリッドの電力品質及び経済性の検討

摘要

再生可能エネルギーを大量に導入した分散型電力系統の構築により環境負荷の低減が期待できる．しかしながら，再生可能エネルギーの出力は不安定であるため，分散型電力系統への導入量は大きく制限される．本研究では，太陽光発電（PV）を含む独立マイクログリッドにおいて，固体酸化物形燃料電池（SOFC）トリプルコンバインドサイクル（SOFC-TCC）を連系して電力変動の抑制が可能なシステムの構築を目指す．SOFC-TCCに関しては，これまでにいくつかの研究報告がある．しかしながら，SOFC-TCCと再生可能エネルギーを連系したマイクログリッドの電力品質と経済性に関する調査例は少ない．特に，SOFC-TCCの容量割合（SOFC，ガスタービン（GT），蒸気タービン（ST）の定格出力の割合）が独立マイクログリッドの電力品質と経済性に及ぼす影響はほとhど明らかにされていない．そこで，本稿では，マイクログリッドの電力品質（周波数変動）解析を行うことで，SOFC-TCCの導入容量割合に応じてマイクログリッドの周波数変動を許容範囲に収められる限界のPV導入容量を調査する．さらに経済性の解析も行うことで，周波数変動を許容範囲に維持可能な範囲で，最も独立マイクログリッドのコストが小さくなる場合のSOFC-TCCの容量割合とPVの導入量を検討した．