分子気体力学に基づく気液界面の境界条件を適用した相変化を伴う気泡運動を表す数理モデルの数値計算

摘要

キャビテーション気泡の崩壊時に，高い圧力場が気泡内に形成されることが知られている．それに伴い周囲液体中に圧力波が発生する．この圧力波は，ポンプやプロペラの騒音や振動，壊食の原因となるため，キャビテーションの発生は，流体機器の性能や寿命の低下につながる．その一方で，気泡崩壊時の高圧場や圧力波の発生を有効利用する技術が現在注目されている．例えば，キャビテーション気泡の崩壊を利用したレーザーアブレーションによるターゲット材料の微粒子化技術や，結石近傍において気泡を発生·崩壊させることによる結石破砕の促進技術がある．このような技術を更に発展させるためには，キャビテーション気泡のダイナミクスを正確に予測できる解析手法が必要不可欠である．