小型電気自動車のスキッド制御技術に関する研究（油圧制動力と回生制動力の制御効果のシミュレーション検討）

摘要

近年の資源問題，環境問題への取り組みから，ハイブリッド自動車，電気自動車や燃料電池車の開発が盛hに行われている．特に国土交通省の外ドライにも示されているように，都市部においては今後小型モビリティ，特に小型電気自動車の増加が予測される．小型電気自動車は少人数が乗車し，比較的短距離を効率良く移動するということが主眼となる．このため，車両のレイアウトを工夫し，小型でありながら快適に乗車することができ，できるだけ多くの荷物を積載することが必要であると考えられる．このためには駆動方式としてインホイールモータ方式が有効である．インホイールモータとは，従来のようなモータから駆動輪へ駆動力伝達系を廃し，駆動輪内にモータを直接搭載するものである．このため，駆動系の伝達損失が非常に小さく，車両レイアウトを大幅に大きくすることができるという利点がある．一方，小型電気自動車に使用される操舵輪，駆動輪はスクータに使用されるような直径の小さなものが多い．このため，駆動輪にインホイールモータを設けると，モータとリム内部の間隙がほとhどないため，通常の自動車に採用されるような液圧を使用した機械式制動装置を設けることができない．そこで，操舵輪には通常の液圧を使用した機械式制動装置，駆動輪にはワイヤ張力を利用した機械式制動装置を設け、主たる駆動輪制動力はインホイールモータによる回生制動力による車両がある．このような制動装置をハイブリッド制動装置と呼hでいる．