回折直前における衝撃波三重点の挙動と爆轟波形態との関係

摘要

爆轟波（Detonation）とは，衝撃波面とその衝撃波によって誘起された反応領域が結合した形で，静止反応性混合気中を超音速で伝播する燃焼波のことである．極めて高いエネルギを有し，持続的に伝播する特徴を合わせ持つ．また，爆轟波面に存在する衝撃波は，入射衝撃波，反射衝撃波，および，マッハステムで構成される衝撃波三重点（Triple Points：以下，TPと略す）から成っていることが知られている．爆轟波における研究には，安全工学上の問題と関連する消炎や再生成といった遷移現象に関する基礎研究や，高いエネルギをパルスデトネーションエンジン（Pulse Detonation Engine：PDE）など推進機関として利用するための応用研究がある．本研究は遷移現象に関する基礎研究の一環として，爆轟波が広い空間，または，狭い空間へと回折して伝播する挙動を扱っている．回折直前におけるTPの挙動と爆轟形態の関係，および，回折現象による爆轟形態の崩壊と再生成のメカニズムを数値解析により明らかにした．