小型直線翼垂直軸型風車の性能へ及ぼす翼端板の影響

摘要

再生可能エネルギー利用への期待が高まる中，風向に対して回転軸が垂直な直線翼垂直軸型風車は，風向に対する姿勢制御が不要なこと，ブレード構造が比較的簡単なことから，今後有望な風車の一つとなると考えられる．一方，風向に対する姿勢制御が不要であるものの，ブレードのアジマス角によって相対風速およびそれに対する迎角が変動するため，風からブレードが受ける力による正味の回転トルクが変動する．このアジマス角に対するトルク変動は風車の平均特性（トルク·出力特性）に影響を及ぼすため，この風車の性能を理解するためにはトルク変動特性を調査することは重要な課題の一つである．ところでこの風車の平均特性はブレードの翼型，翼端形状，ソリディティなどブレードの仕様によって大きく影響を受けるため，これまで多数の研究がなされてきている．三次元翼においては翼端で生成される翼端渦が翼性能へ大きな影響を及ぼすため，翼端形状は特に重要な仕様の一つである．垂直軸型風車の翼端形状の風車性能へ及ぼす影響について，平均特性を調査したものはあるが，トルク変動特性の観点から調査されたものはほとhど見あたらない．そこで本研究では翼端形状が風車性能に及ぼす影響について，翼端板を用いて風車の平均特性およびトルク変動特性を実験的に調査し，それらを関連づけることを目的とする．