アクトミオシンネットワークにおけるダイナミックな構造変化のシミュレーション

摘要

アクチンとミオシンIIからなるアクトミオシンは，細胞内で力発生を担う主要な分子機械であり，細胞レベルの形態変化や移動などのダイナミックな活動と深く関連している．例えば，移動性細胞ケラトサイトの葉状仮足内では，アクトミオシンフィラメントのネットワーク構造が張り巡らされ，細胞後端に向かってミオシン密度が高くなるにつれ，ネットワーク構造からアクトミオシンフィラメントが集まったバンドル構造（ストレスファイバー）へと再編成される．そこで本研究では，アクチンおよびミオシンIIの分子運動を粗視化した数理モデルを構築し，ミオシン依存的なアクトミオシンネットワークの構造変化について検討を行う．