石油精製、化学プラント、発電所等は、高度経済成長期、バブル期に多く建設され20年~30年以上経過し、老朽化が進hでいる。屋外に多く建設されたプラントでは、経年と共に気象等の影響より保温材の含水等の劣化から、1980年代に入りCUI(Corrosion Under Insulation)「保温材下腐食」が大きくクローズアップされてきた。特に配管外面腐食がもたらす危険物の漏洩は、重大事故の原因にもなっている。CUI対策の保温材として、米国Aspen Aerogels社製の新素材『エアロジェル断熱材』を紹介する。この保温材は、ガラスマットにエアロジェルを含浸させ、低熱伝導率、はっ水性、水蒸気透過性を有する薄型でフレキシブルな材料である。またこの保温材を使用した『保温材によるCUI防食システム』を以下の通り提案する。配管への新規工法として、けい酸カルシウム保温材にエアロジェル保温材をオーバーラップさせた『増し保温工法』の複合的な保温構造の紹介と、タンクに於ける保温リングや板金の外装材を使用しない新規工法として、エアロジェル保温材と非鉄外装材の13層構造アルミラミネート外装材の双方のはっ水性による、雨水侵入防止を考慮した保温構造を紹介する。新素材『エアロジェル断熱材』の特性を生かした『保温材によるCUI防食システム』にCUIの低減を期待したい。
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