高温腐食環境における耐熱鋳鋼材の耐食性と添加元素の影響

摘要

廃棄物発電プラントにおいては、熱的、化学的な要因が複雑に絡み合うため、高温部材は予期できない激しい腐食損傷を受ける場合がある。腐食損傷軽減のためのシステム設計面での改善とともに、腐食メカニズムや合金添加元素効果などの究明は、優れた耐環境性を有する耐食材料選定のための重要な課題となっている。当該プラントの高温部材として、耐熱鋳鋼の使用が増大する傾向にあるが、高温腐食環境における耐熱鋳鋼材の耐食性に関する知見は少ないのが現状である。そこで本研究では、耐食性に影響を与えると予想される諸元素を系統的に変化させた溶製合金に対して高温腐食試験を行い、耐熱鋳鋼材の耐食性と添加元素の影響について調査した結果を報告する。