スーパー二相系ステンレス鋳鋼バルブの特性＜塩化物環境における耐孔食性、種々腐食環境での耐全面腐食性＞

摘要

近年、化学工業、石油精製等の分野では新プロセスの開発が積極的に行なわれ、その環境に耐えうる耐食材料のニーズが高まってきている。 また、メンテナンスフリーおよび定修延長によるトータルコストダウンを目的とした高耐食性·高合金のプラント部材ニーズもその広がりを見せている。 特にその広がりはアメリカのプラントメーカーに多く見られ、今後この傾向は世界的に波及していくと考えられる。 弊社では市場のニーズに対応すべく高耐食性ステンレス鋳鋼バルブ、ニッケル基合金バルブを取り揃えている。 弊社のスーパー二相系ステンレス鋳鋼のSDPV-K1·K3も市場のニーズにより開発された材料である。 SDPV-K1·K3はSUS304に相当するSCS13AやSUS316に相当するSCS14Aよりも塩化物環境や各腐食環境において優れた耐食性を示す。 塩化物を含む代表的な環境は海水である。 海水はプラントの冷却媒体や海水から真水を得る海水淡水化プラント等に使用される。 特に海水淡水化プラントは世界的な水の枯渇問題から今後その拡大が予想されることから、スーパー二相系ステンレス鋳鋼の需要も高まると考えられる。 本報告ではスーパー二相系ステンレス鋳鋼：SDPV-K1·K3の塩化物環境および各種腐食環境における試験溶液中での腐食挙動調査結果を報告する。