小学生を対象としたトライボロジーの講義例について（WTC2009における新たな試み）

摘要

2009年9月に京都で開催されたWTC2009において通常の研究発表会とは別に，図1に示す市民向けの「世界の省エネ·環境技術展～次世代を担う子供たちへ」をスローガンとする技術展示会が開催された．自動車·電機·機械·潤滑剤，試験計測装置などのトライボロジーに関連する様々な製品デモやエコカーの展示に混じって，小中学生·高校生にトライボロジーを身近に感じてもらおうという趣向で，科学実験を体験させる「子供省エネ実験室」と，図2に示すトライボロジー現象を解説した「ミニトライボロジー教室」が実施された．ミニトライボロジー教室が国際合議の企画として開催されるのは初めての試みで，著者はこの名誉ある初代講師に選ばれた．ところが小学生を対象とするので，講義はテキストを主体とする大学の講義と異なり，身の周りにあるトライボロジーをわかりやすく解説する必要がある．一方で展示会を見学しながら講義も受講が可能なように，講義時間は最大20分という制約も課された．本報告ではWTC2009におけるミニトライボロジー教室講師の奮闘記を紹介する．