工作機械主軸用超高速軸受の開発

摘要

工作機械の性能向上のためには，構成するユニットおよび各部品の性能向上が必要不可欠である．とりわけ加工精度や加工能率に直接影響を及ぼす主軸は重要で，性能に対する市場要求レベルは近年ますます厳しくなっている．工作機械への要求性能としては，加工における工程·工数の削減，難加工材の加工能率向上などがあり，使用される主軸に対しては，高速回転性能や低昇温性能が重要な項目として挙げられる．その主軸に使用される軸受に関しては，2000 年ごろまでは要求回転性能が dmn 値で最大300 万程度であったものが，近年では dmn 値 300 万を超えるものも出てきている．また，軸受の発熱が小さければ主軸の熱膨張も小さくなり，工作機械として最も重要な加工精度の向上に有効となる．さらには冷却のための消費電力を低減できるため省エネルギー化にも貢献できる．つまり主軸の高性能化には，主軸用軸受の高性能化が不可欠と言える．