速度変化を伴う油と金属の間の流動帯電現象の実験的検討

摘要

金属製流路に発生した電荷は直接測定することが可能であり，我々はこれまで種々の形状の流路に対して実験を行ってきた．その結果，流速の急激な変化が多くの電流を発生させる原因となることが分かった．これは，界面近傍の電荷のバランスが流れの変化によって崩れ，新たな均衡を保つには時間を要するためだと考えられる．流体機械では，ポンプなどによって発生する脈動が不可避的であり，流れの状態は常に変化していると考えられる．従って実機における帯電現象を調べる上で，流速の変化による帯電量の変化の影響を詳しく調べておくことが重要となってくる．本研究では流速が連続的に変化する脈動流れでの帯電量を測定し，流速変化の影響について実験によって確かめることを目的としており，定常流れとの比較を行った結果について報告する．