Ｏリング用EPDMゴムのすべり出しの摩擦と損傷

摘要

ゴム製のＯリングを数百気圧に及ぶ超高圧水素ガスの静止面シールとして用いる場合，ガスの溶解によるゴムの膨潤や差圧による変形に起因する様々な形態の破壊を考慮する必要がある．高圧水素用ゴムシール材料の適切な設計をめざして，水素の溶解，拡散や溶解に伴うゴムの力学的，化学的性質の変化に関する研究が，西村らによって精力的に進められている．一方，リング溝内でのＯリングの移動や変形に及ぼす摩擦の影響についても，未だ十分にはわかっていない．そこで筆者らは，Ｏリングの摩擦の影響に関する研究の一環として，ゴムのすべり出し時の摩擦挙動を調べた．以下にその結果を報告する．