水中での異種金属の摩耗に対する試験片の組み合わせ効果

摘要

異なる種類の金属を摩擦した際にどちらが多く摩耗するかという問題は，部品選定などの観点から重要であり多くの研究が行われてきた．真空中や大気中における摩耗特性については，吸着活性と硬さの影響や[1]，大小試験片ならびにせh断強さの差の影響などが議論されている[2]．一方，水中での摩耗に関しては，二つの金属間の電位差によるガルバニック腐食が摩耗に影響を与えることをBarthel らが示している[3]．しかしながら，その研究ではディスクを負極とした効果，さらには大小試験片の効果についても検討されていない．そこで本研究では，水中での異種金属の摩耗における一般則を見出すため，硬さ，標準電極電位，大小試験片組み合わせ効果に着目し，支配的に作用する因子とその条件を明らかにすることを目的とした．