摩擦を利用した高純度プラスチック選別技術

摘要

2001年4月から特定家庭用機器再商品化法が本格施行されたことを契機に，使用済み家電製品やOA機器から鉄や銅等の金属とプラスチックを回収し再資源化するリサイクル事業が推進されている．リサイクル素材を回収するために，使用済み家電製品やOA機器はまず手分解によって部品レベルに分解される．次に，破砕工程の後に比重の違いや磁性の有無，帯電特性等を利用する選別工程を経て，鉄や銅等の金属とプラスチック残さに選別される．プラスチック残さの中にはリサイクル対象プラスチックの他に不純物の1つとしてゴムが混入する．ゴムの混入はリサイクル後のプラスチック成形品の意匠性や機械強度を低下させる原因となるが，これまでリサイクルプラスチックからゴムを効果的に選別する方法で量産ラインに適用されたものはなかった．執筆者らはゴムとプラスチックの摩擦係数の差に着目し，摩擦を利用してリサイクルプラスチックからゴムを選別する技術を開発したので以下に報告する．