産業界のESCO事業における省エネルギーとCO_2排出量の削減

摘要

環境問題の高まりとともに、省エネルギーや地球温暖化効果ガス排出量削減を目的として、省エネ法規制強化、新エネルギー利用促進、環境税、排出権取引など、各種の公的規制や制度が導入されつつある。産業界では製造の過程などで大量のエネルギーを使用しているが、省エネルギーおよびCO_2排出量削減は，企業として重要な社会的責務である一方、収益に直結する課題でもある。これに対して、省エネやェネルギーコスト低減のための計画·設計·施工·運転·保守等をビジネスとして請け負うエネルギーサービス事業が展開されている。専門業者としての省エネノウハウを活かし、ユーザのより低コストでより確実な省エネの実現を支援するものである。特に、エネルギーサービス事業者が、省エネ効果を保障したり、さらには導入設備を所有するビジネスモデルが注目を集めており、ESCO事業と呼ばれている。本稿では、国内の産業ユーザに導入したエネルギーサービス事例をもとに、省エネルギーやCO_2排出量削減の状況について紹介する。