~(129)Xe－NMRを用いたUSYゼオライトのVによる骨格破壊過程の解析

摘要

流動接触分解（FCC）プロセスにおいて，通常の原料油である減圧軽油よりも重質な常圧残油を処理する場合，常圧残油に含まれるV，Niなどの金属分が，FCC触媒の活性に悪影響を及ぼす．特にVは，FCC触媒の主活性成分である超安定化Y（USY）ゼオライトの骨格を破壊し，触媒の分解活性を低下させると言われているが，このVによる骨格破壊過程におけるUSYゼオライトのスーパーケージの構造変化については，これまであまり議論されていない．そこで本研究では，ゼオライト骨格の微空間としてのスーパーケージを解析できる~(129)Xe－NMRを用いてこの点を明らかにすることを目的とした．さらに，Vによる骨格破壊過程において骨格中のNa＋が及ぼす影響についても検討した．