植物の光形態形成メカニズムを模倣したセンシング·システム

摘要

私たちの生活空間には人間とさまざまな物体(ロボットも含む)が存在する。これからの社会においても高齢化社会などによりロボットがこれまで以上に進出してくると考えられる。このような生活空間では人間と物体のどちらかが環境に合わせて振舞う事が大切である。そこで、今日に至るまでの長い時間の中で植物が多種多様に、かつ周囲環境に素早く適応してきた生長及びセンシングメカニズムに着目した。本研究は新しいセンシング手法の開発を目的として、植物の生長及びセンシングメカニズムの工学的な応用を試みている。本稿では植物の光形態形成の一部であるフィトクロム転換メカニズムに着目した。ここでは、フィトクロム転換メカニズムの工学的な応用として、そのメカニズムを模倣した信号処理回路を含むセンシング·システムを製作した。また、センサの出力を電圧で得たと仮定し、直流電圧源を用いて回路の動作確認を行った。その結果、フィトクロム転換メカニズムに見合った動作を製作したセンシング·システムが行っていることを確認したので報告する。