射影表現に基づくB－スプライン曲面モデルを用いた三次元物体の形状モデリング

摘要

NURBS曲面はその表現性の豊かさから多くの分野で幅広く用いられている．しかし，それを三次元物体の形状モデリングに応用しようとすると，曲面とデータ点との対応付けが困難であるため，推定された制御頂点の配置にねじれが生じる等の問題が生じたりする．そのため，何らかの制約条件を付加しない限り安定にモデリングを行うことができない．そこで，本稿ではこの問題を解決すべく，曲面モデルとして埋め込み関数を内蔵した拡張型NURBS曲面モデルを提案する．このモデルは，射影を導入することによって三次元制御頂点の推定問題を，一次元の係数推定問題に帰着することができる．さらに，曲面の自由度を定義づけるノット頂点を物体の輪郭形状に応じて配置したパッチと対応づけることによって，モデリング領域を自在に選択することが可能となる．