2008年夏季関東地方PM_(2．5)に対する液相過程の影響解析

摘要

2009年9月にPM_(2．5)に対する環境基準が設定され、今後その達成に向けて、各種の施策が導入される見込みである。PM_(2．5)はさまざまな成分の集合体であり、ガスとして大気中に排出された後に粒子化する二次粒子成分も多く含まれる。二次粒子成分濃度と前駆ガスの排出量との関係は線形ではないため、その低減施策を検討するにあたっては、大気中での複雑な二次粒子生成過程が考慮された3次元大気シミュレーションが必須となる。ただし、施策立案にシミュレーションを活用する前に、シミュレーションによるPM_(2．5)及び各成分濃度の再現性を十分に検証し、再現性向上を図る必要がある。そこで、シミュレーションによるPM_(2．5)の再現性検証のための基礎データ取得などを目的として、2008年夏季に関東地方においてPM_(2．5)を中心とした観測を行った。得られたデータを使用して、現在各種の解析を行っている。その中から、本発表では観測期間中のPM_(2．5)に対する液相過程の影響を解析した内容について報告する。