高密度ダングリング鎖を有するエラストマーの粘弾性特性

摘要

高い制振性を示すエラストマー材料は、工業的に非常に重要であると考えられる。片末端が自由なぶら下がり鎖（ダングリング鍵を多量に高分子網目に導入すると、与えられた振動エネルギーを熱エネルギーと変換し散逸させることが可能となるため、エラストマーの制振性が向上することが報告されている。高密度のダングリング鎖を含むエラストマーの作製法として考えられるのが、片末端反応性の直鎖状高分子（マクロモノマー）の重合で得られる高い側鎖密度を持つくし型ポリマー（ポリマクロモノマー）を架橋することである。本研究は、この概念をもとにして、両末端および片末端反応性のマクロモノマーの混合物を重合することで高密度ダングリング鎖を持つエラストマーを作製した。そしてその動的粘弾性を調べた。