水素検出センサーを用いたFeアルミナイドの初期酸化挙動の検討

摘要

アルミナイドは高温環境において酸化皮膜として保護性のAl_2O_3を形成するため，発電用ガスタービンや航空機用ガスタービンのコーティング材として使用されている．これまで，Niアルミナイドの耐酸化性については多くの研究がなされており，1100°C付近においてθ-Al_2O_3からα-Al_2O_3への変態が起こり，α-Al_2O_3になることによって耐酸化性が著しく改善することが知られている．さらに，Al_2O_3の相変態は，温度，合金組成，雰囲気などの様々な要因から影響を受けると報告されている．一方，FeアルミナイドにおいてもAl_2O_3皮膜が生成し高い耐酸化性を示すことが知られているが，Al_2O_3の変態挙動に及ぼす基材の影響については詳しく調査されていない．これまで，発表者らは，ガスセンサーを用いて酸化速度を測定することによって昇温過程中のNiアルミナイドに生成する酸化皮膜の相変態挙動を把握できることを示してきた．そこで本研究では，同様のガスセンサーを用いてFe-Al合金に生成するAl_2O_3の変態に及ぼす基材の影響について調査した．