フロー型エリプソ顕微鏡を用いたFe-6Crの不働態化挙動と不働態皮膜評価

摘要

鋼材の耐食性能の優劣は鋼材表面に形成する不働態皮膜の構造と厚さおよび組成などに依存する。これらは不働態皮膜が形成する過程に強く影響を受けることから、皮膜の形成過程に関する多様かつ精確な情報を得ることは耐食性鋼材を設計するために重要である。前報にて、電気化学エリプソ顕微鏡を用いて硫酸ナトリウム水溶液（pH3.3）中でアノード酸化したFe-6Cr表面のその場観察と同時にチャンネルフロー二重電極測定（CFDE）によって溶解したFe（II）種を捕捉した。その結果、活性域におけるFe（II）種の溶解量の抑制が観測された。ここではチャンネルフロー三重電極法を用いた活性域におけるFe（（II），Cr（III）種の溶解検出および溶液対流条件下で形成する不働態皮膜の耐食性評価について報告する。