塑性加工による表面粗さ形成機構に関する研究 第2報

摘要

現在まで鋼板の表面粗さの形成機構について様々な議論がなされてきたが、ランダムな凹凸面を持つローノレでの圧延を行い、圧下率や潤滑条件、板厚などが表面平均粗さにどのように影響するか調べているが、巨視的解析に留まっている。そこで表面粗さの形成について前報では、パターンニングされた微細凹凸金型を用い、圧縮試験を行い一つ一つの微細なパターンセルに注目し、転写形状の測定を行った。これより、金型表面の微視的形態の違い、潤滑の有無や板厚の違いや張力を付加することによる転写挙動への影響を調べた。本稿では、新たに3次元有限要素解析を行うことにより、実験では観察することが出来ない金型の凹凸への材料の流れを観察し表面微細粗さ形成メカニズムを解明するための指標とした。