バニシング加工における加工条件が表面品質に及ぼす影響－SUS304とTi-6Al-4Vへの適用

摘要

ローラーバニシング加工は，他の表面仕上げ加工に比べて短時間での表面粗さ向上，仕上げ面の硬度の向上などの利点を看する表面仕上げ法である．その効果は，ローラーによって材料表面を塑性変形させることにより表面の凹凸を均し，加工硬化によって材料の表面硬度を上昇させる．バニシング加工を製品に適用するためには，加工条件が表面品質（加工後径，表面粗さ，表面硬度，残留応力など）に与える影響を明らかにすることが重要である．また，バニシング加工を公差の厳しい精密な部品に適用する場合，製品寸法の公差と表面粗さを同時に満足させる加工条件を把握する必要がある．そのため，寸法変化と表面粗さ変化の関係を把握することが重要である．これまでバニシング加工の加工条件が加工物表面に与える影響について多くの研究が行われているが，材料特性の違いによる表面品質への影響を検討した研究は少ない．本研究では，丸棒へのバニシング加工を適用し，材料特性の違いによる加工前後の径変化，表面粗さ，表面硬度への影響を検討することを目的とした．加えて，応答曲面から容易に加工条件を決定できる可能性について検討した．