2成分混合対流における過渡的停滞領域形成のレイリー数依存性

摘要

1成分流体の上下に温度差を与えたとき，臨界レイリー数を超えると対流が起こり，この臨界レイリー数直上から時間に対して安定なロール対流が形成される．しかし，近年，粘性差の大きい2成分混合系の臨界レイリー数直上において，上昇流付近に過渡的に流れがなくなる領域（過渡的停滞領域：TSD）ができ，流れが時間によって大きく変化する現象が発見された．Fig.1はPIV法で求めた速度場の時間変化を示したものである．はじめに形成されるロール対流中に流れがなくなる領域が形成される．大きく流れが変化したのち，ふたたび系全体がロール対流となる．