一般化逆行列を用いた回転乱流におけるエネルギーフラックス方向の同定法

摘要

本研究では，波数空間内立方体セルでのエネルギー収支を考え，一般化逆行列を用いてエネルギーフラックスをべクトル量として定量的に同定する方法を提案した．回転乱流では，低波数の慣性波乱流の系の回転に垂直な波数方向のエネルギーフラックスを再現することができた．現段階では，境界波数に沿ったエネルギー輸送や高波数の等方なエネルギーフラックスを得ることはできていないが，これは，主に等方乱流に至る過程でのエネルギー散逸が大きいためである．3種の乱流の共存状態でエネルギーフラックスの方向分布を定量的に得るためには，より大規模な直接数値シミュレーションが必要である．講演では，一般化逆行列によって得られるノルム最小であり，渦なしのエネルギーフラックスの妥当性も議論する．