二相系格子ボルツマン法による多孔質構造内の気液二相流解析

摘要

近年，新たなエネルギー源として期待される燃料電池の電極内のガス拡散層は，マイクロスケールの孔径を持つ多孔質構造となっている。その多孔質構造内では化学反応によって水が生じ，その水が停留すると燃料ガスの流れに影響し化学反応の妨げとなる。したがって，燃料電池の性能評価には多孔質構造内の気液二相の流動現象の解析が必要とされ研究が盛hに行われている。しかし，このような流れは微小で複雑な現象であるため実験的に解明するのが難しい。そのため，数値シミュレーションによって多孔質構造内の気液二相流の挙動を解析する必要性が高まっている。そこで，本研究では密度比の大きな二相流にも適用が可能である二相系格子ボルツマン法（以下,二相系LBM）を用いて，多孔質構造内の気液二相流の挙動を明らかにし，さらに液相および気相の透過係数を求めることを目的とした。