周辺支持の液滴·気泡の粘性による非回転的減衰振動

摘要

Bostwick & Steenは，球状の液滴(気泡) が円状の境界線で留められている場合の平均半径まわりの微小攪乱の軸対称振動について，非粘性流体の渦なし流れとして表面張力を考慮して，分散関係式が流体境界面の変位に対する積分微分方程式となることを示し，固有角振動数と流体境界面の振動波形を求めた．また，解析結果をStrani & Sabettaの解析と比較している．それに刺激されて本研究が始められ，ここでは，球状の液滴·気泡の振動に対する粘性の効果を粘性ポテンシャル流解析(Viscous Potential Flow, VPF)の視点から扱う．VPF による球状液滴·気泡の自由振動の解析は先にPadrino, Funada & Josephによって行われており，粘性の効果により減衰振動が起こり，粘性が大きい場合には系の特性値Jが臨界値J_cより小さくなると振動せずに指数関数的に減衰することが示されている．その解析を円状の境界線で留められている場合に適用した結果をここに報告するものである．