ガラス繊維強化プラスチック歯車形工具による小形はすば歯車のバリ打痕除去法

摘要

歯車加工において歯のエッジに生じる切削バリや他のものと衝突して生じる打痕などが歯車性能の劣化の問題となる．このため完全に除去しなければならない．一般に歯車の歯端部の歯溝側に倒れた2次バリや打痕は，回転ブラシなどで除去しようとするが，小形歯車では歯溝が狭いためブラシの先端が奥まで入らず，残留する場合が多い．そこで普通サイズの歯車仕上げ加工のように歯車形の在来砥石を用いたバリ打痕除去加工を試みた．しかしながら，微小モジュール小形歯車のバリや打痕除去では歯先が細くなり強度が不足し，欠けやすくなるため，歯車形砥石の製作や除去加工への適用が難しい．この問題を解決するため，著者らは本研究で，微小モジュール小形平歯車のバリ打痕除去法としてガラス繊維強化プラスチック（Glass Fiber Reinforced Plastic 以下GFRP）を用いた歯車形工具を提案し，有効性を明らかにした．本稿では，微小モジュール小形はすば歯車に対して，本バリ打痕除去法の有効性を報告する．