5軸制御工作機械のための工程設計支援システムの開発に関する研究－3+2軸制御加工における工具姿勢の高速な決定方法

摘要

多品種少量生産化が進む機械加工において，非加工時間となる工程設計の標準化·自動化の達成が求められている．このためには，加工対象形状，加工機，ジグ，工具，加工条件など数多くの組合せの中から加工プロセスを予測し，高能率な工程設計案を高速に提示できる支援システムの開発が必要である．そこで本研究では，複雑形状の3+2軸制御加工に着目して，工具姿勢（割り出し角）およびツーリングの組合せを決定する方法の確立を目指す．そして，高付加価値製品の加工準備時間を短縮し，5軸制御工作機械の特長である工具姿勢の自由度を有効に活用した，高能率な機械加工を達成することのできる，5軸制御工作機械のための工程設計支援システムの開発を目的とする．本報では，まずボクセルでツーリング，工作物および製品形状を表現し，相互相関関数と畳込み積分を利用して，3+2軸制御加工における各工具姿勢で除去可能領域を算出する手法を示す．そして次に，除去可能領域を算出する工具姿勢の候補数を削減するため，除去可能領域が比較的大きい工具姿勢を予め検出する手法を報告する．