生産ラインにおける高齢者職務再設計推進方法の再検討

摘要

少子高齢社会における人手不足と社会保障費などの増大を予測して，政府は2006 年4月から65 歳定年延長を義務化する改正高年齢者雇用安定法を施行した．これにより，65 歳まで就業できる作業環境の整備が要求されている．今後，労働力人口の減少による人手不足に対処するには，組織的継続的な高齢者の有効活用が必要であり，部分的な一過性の改善でなく全体に目を通し計画的にいき長く推進し，高齢者の戦力化を図らなければこの活動は継続しない．本研究は，65 歳定年延長の義務化に対応して，高齢者職場の拡大化を図るため，生産ラインにおける中高年齢者のための人間工学的職務再設計を合理的に推進する方法の再検討を目的とする．まず独自の高齢者職場拡大の考え方について，次いで60 歳未満の中高年齢者職務再設計の推進ステップについて，そして，職場拡大の手法として人件費削減の省人化対策と明確に区分する対象作業の範囲，及び計画的·効果的な職務再設計推進の立案方法と事後評価を述べる．最後に，65 歳未満の職務再設計推進方法（再検討の方法）を提案する．