片側パターン電極におけるER ゲルの基本特性解析（第一報）－対向導電材料と対向絶縁材料におけるER 効果

摘要

ER 流体をゲル化したER ゲル（ERG）は，これに電場を印加することでその表面の摩擦特性が変化する機能性材料であり，この効果をERG におけるER 効果と呼ぶ．ERG は従来のER 流体に比べ，電場印加時に発生するせh断力が数十倍大きく，長時間使用しても安定したER 効果を得ることができる．従来は図１(a)に示すようにERG を２枚の電極で挟み込み，これに電場を印加することでER 効果を得ていた．ER 流体において，図１(b)に示すように陽極と陰極を片側にのみ配置した片側電極を適用することでER 効果が得られることが報告されている．そこで，ERGに片側電極を適用することを試みた．片側電極を適用することで，配線構造が簡略化でき，またERG 上面をスライドする対象物が絶縁体であっても，ER 効果による表面の摩擦特性変化が生じると考えられる．これまでの研究で，対向材料に導電体を用いた場合において，ER 効果が得られることを実験的に確認している．本研究では，片側電極におけるERG の基本特性をせh断試験および電場解析により調べた．その結果，対向材料に導電材料を用いた場合と絶縁材料を用いた場合では，ER 効果発生の様子が異なることがわかったので，ここに報告する．