直径10μm マイクロフラットドリルの製作と超音波振動極小径穴加工

摘要

近年の製品の小型化，高精度化に伴い，多くの機器·部品に対して小径の穴を高精度·高能率に加工する必要性が高まってきている．極小径の穴を加工する方法としては，ドリル加工，レーザ加工，放電加工および打抜きなどあるが，ここではドリル加工を取り上げている．従来のドリル加工では，ドリル自体の剛性が低いこと，切りくずの排出が困難であることなどといった問題を抱えいるため，本研究ではその解決策としてドリル加工時に軸方向の超音波振動を付加している．また，本研究では，マイクロドリルやエンドミルといったマイクロ切削工具を高精度·高能率に製作し，これをそのまま機上から取り外さずに，工作物に対して穴や溝などの高精度·高能率加工を行うといった一連の手法を確立することを最終目標にしている．本報では，これまでの研究1)の結果を踏まえて，直径10μmの超硬フラットドリルを高精度に製作する手法について検討するとともに，製作したマイクロドリルを用いて超音波振動穴加工を行い，その加工特性を実験的に明らかにするものである．