粗粒ダイヤモンドホイールによるファインセラミックの超平滑研削－炭化けい素セラミックの仕上面に及ぼす研削油剤の効果

摘要

筆者の一人は，研磨加工法に替え得る,あるいは,研磨加工法に近い,超平滑研削加工法への期待が非常に高いことを考え，粒度#140の粗粒メタルボンドダイヤモンド砥石を用いた平面プランジ研削で，各種ファインセラミックの延性モード研削の可能性について検討し，延性モード高平滑研削が可能であることを示した．しかし，平面プランジ研削法やトラバース研削法では，加工時に生成される研削条痕による研削方向直角仕上面粗さが大きく，研磨加工に匹敵するような超平滑面を得ることはできなかった．そこで，研削条痕を確実に低減し得る超平滑研削加工法を新たに考案·開発し，その効果を確認した．その結果，超硬合金の3次元仕上面粗さを(Rz)3D値で約30nm，(Ra)3D値で約5nm以下に加工し得た．本報告では，この開発した超平滑研削法を，さらに，高平滑化と高能率化させることを目標として，炭化けい素セラミックの超平滑研削仕上面に及ぼす研削油剤の効果を実験的に検討し，考究したので，以下に報告する．