円筒面大面積3 次元微細形状の機上ナノ計測に関する研究－機上計測と形状の高精度化

摘要

近年，ナノテクノロジーの発展に伴い3 次元微細形状を持つ精密部品として，各種光学部品·自由曲面·計測基準などさまざまなものが数多く利用されている．その3 次元微細形状に対し，高精度化、微細化、低コスト化が求められ，要求される性能は年々高くなる傾向にある．一方，計測基準として2 次元角度格子を用いる，角度情報をベースとする多自由度位置·姿勢検出装置としてサーフェスエンコーダが研究されている．このシステムの測定範囲は角度格子の大きさで決まるが，現在この角度格子の創成を超精密旋盤による正面切削で行っている(2)ため，スピンドルの直径以上のものを作れないという問題がある．そこで，円筒面に角度格子形状を創成し，大面積に角度格子形状を創成する方法を提案している．この円筒面に創成された角度格子形状を高精度で創成するためには加工結果を評価する必要があるが，現状ではマスタが曲率を有するため形状を測定するのに適した測定機器がない．そこで本研究ではマルチスポットを用いたオートコリメーション法を原理とする角度センサを用いて円筒面の角度格子形状を加工機上で計測し，形状の誤差成分を明らかにする．またそれを加工にフィードバックすることにより形状の高精度化を試みる．