均一放電を用いた空気原料オゾナイザにおけるオゾン·N_2O濃度のガス圧力依存性

摘要

著者らは，誘電体材料にアルミナ（京セラ社製，A473）を使用することで，空気中でも大気圧タウンゼント放電（Atmospheric Pressure Townsend Discharge：APTD）を発生させることに成功し，この放電を空気原料オゾナイザに応用することによって，NO_xの発生を65%（注入エネルギー：100J／L付近）削減できることを明らかにした。これは，典型的なバリア放電におけるストリーマ先端の換算電界は500Td～800Tdであるが，APTDの換算電界は約150Tdと低いため，電子衝突による窒素分子の解離を抑制することができたためである。換算電界E/nは放電維持電圧とガス分子の密度nで決まるので，ガス圧力を高めれば更に低下し，更なるNO_xの発生抑制効果が期待できる。本研究の目的は，オゾナイザへの供給ガスの圧力を高くしたときのオゾンやN_2O（NO_xの一値であり，麻酔性ガスの一種で自然分解しない性質を有する）の発生特性を明らかにすることである。