湿度制御による停止保管中における排熱回収ボイラ伝熱管外面の腐食抑制

摘要

定期検査に伴い停止したガスタービンコンバインドサイクル発電の排熱回収ボイラ（以下，HRSG）において，数ヶ月の停止保管中にHRSGの伝熱管外面（フィンチューブ）から多量の腐食生成物が発生した。腐食の発生·進行要因を調査するため，停止保管中における伝熱面の定点観察を中心とした実機調査および実機管を用いた腐食再現試験を実施した結果，停止保管中のHRSG伝熱管外面からの腐食生成物の発生は，運転中に形成された腐食生成物が停止保管中における湿度上昇に伴い剥離することに起因し，腐食対策として，湿度60%以下に制御する湿度制御が有効であることを明らかにした。そこで，上記対策を実機HRSGに適用し，停止保管中における伝熱管外面の定点観察により対策効果を検証した。