系統運用への貢献を考慮した家庭用蓄電池の最適運用に関する検討: 日負荷の特性と必要報奨金単価の関係性

摘要

固定価格買取制度(FIT)の施行以来，家庭でも太陽光発電(PV)の急速な導入が進hでいるが，FIT適用期間終了後には買取価格は非常に安くなり，電力の購入価格と同額以下となる可能性が考えられる。ところで，技術革新に伴う蓄電池の価格低下の要因から，家庭用蓄電池（以下，蓄電池）が導入されつつある。前述の通りPVの買取価格が安くなれば，売電するよりも，PVの発電電力を蓄電池に充電し，自家消費に供するというような利用形態が現実味を帯びる。また近年では，蓄電池に代表される需要家の可制御機器（リソース）群を統括的に制御して仮想発電所として系統運用に活用することも検討されている。この場合，系統運用の活用に見合った対価（以下，報奨金）がリソース提供者である需要家に対して支払われることが想定される。一方で，需要家側リソースを系統運用への貢献に利用すると，そのリソースの本来の用途への利用が制限されることから，場合によっては追加的なコストが生じる場合が考えられる。