エネルギー供給システムの設計および運用の階層的関係を考慮した最適化: 蓄熱槽を有するシステムに対する検討

摘要

地域およびビルなどにエネルギーを供給するシステムでは設置する候補となる機器が多様化し，経済性や省エネルギー性の観点から設計者が経験だけで機器の運用計画を考慮して適切にシステムを設計することは容易ではない.本研究では，機器の選択•非選択および運転•停止による性能特性の離散性を考盧したモデルに基づき，エネルギー需要量の変化に伴う機器の運用を考盧しながら,経済性や省エネルギー性の観点から最適に設計する手法を，蓄熱機器が導入されたエネルギー供給システムに適用し，その有効性について検討する.特に，階層的最適化手法を適用し，最適解とそれに続く複数の準最適解，いわゆるK-ベスト解を導出する.