太陽光発電-複合蓄電システムの需給予測制御最適化による高効率化·設備容量低減

摘要

変動する太陽光発電（PV）出力と負荷の需給調整用電源として，高エネルギー密度のリチウムイオンバッテリ（LiB）と高出力密度·長寿命のリチウムイオンキャパシタ（LiC）を組み合わせた，バッテリ-キャパシタハイブリッド蓄電システム（BACHES：BAttery／Capacitor Hybrid Energy Storage）の研究が進められている。BACHESはPVをLiCと直結する構成により高効率な蓄電が可能となっており，緩やかな電力変動をLiBに，急峻な変動をLiCに対応させることで，各蓄電デバイスの長所を活かした需給調整が可能となる。立原らは，カルマンフィルタ予測を用いてLiBとLiCの分担を行う予測制御手法を用いて，試作機による試験を行った。しかし，予測結果によっては充放電に伴うLiC電圧の変化が大きく，LiCと直結したPVの最大電力点追従（MPPT）効率が低下してしまう。また，予測結果によって高コストなLiCの必要貯蔵容量が変化するため，その低減が重要な課題である。そこで，本研究では予測制御の最適化によるシステムの高効率化および設備容量低減を目的とし，需給予測制御のシミュレーションを行った。