新材料パワー半導体の変換器応用最新技術動向 総論

摘要

2020年にトヨタ自動車は次世代パワー半導体の一つである炭化シリコン（SiC）パワー半導体を量産ハイブリッド車に搭載すると発表している（2014年5月20日に報道）。この新しいパワー半導体の応用は，電気機器の歴史においてこれまで経験のない市場戦略のフェーズに入ることになる。すなわち，電気機器における新技術，新材料においては、通常は軍事·航空宇宙への応用後，マスの大きな産業機器への応用において価格を充分抑制してから，車載応用という順で応用が成されてきた。しかしながら，今回のSiCパワー半導体は前述のフローをほとhど経緯しないまま，価格，規格，安全性等の要求技術のハードルが非常に高い車載用へ適用されることとなる。そのためには，未だコストの視点からは従来のシリコン（Si）パワー半導体に対して充分戦えるとは言えない次世イセ型のSiCや窒化ガリウム（GaN）パワー半導体が，車載用応用分野において市場を獲得するためには，パワー半導体単体ではなく，電力変換器，車両部品，さらには車両全体等のシステムの観点から充分なメリットを示す必要がある。