固有値解析によるDCマイクログリッドの集中制御型安定化手法

摘要

エネルギー·環境問題の対策として、近年では太陽光発電等の分散型電源の導入が進展している。分散型電源の出力の不安定を補うための電力貯蔵装置や、データセンターなどの直流電源が多く含まれる地域では、変換ロスの削減をし効率化を図るため直流配電のマイクログリッドを形成することが期待されている。しかし、文献[1]のように直流配電のマイクログリッドの問題点のひとつとして、複数の変換器間の相互干渉により、電圧が不安定に変動する現象がある。これらの問題に対応するために、文献[2]では、三次コントローラーによる階層制御をすることによって、PID制御によりシステムの安定化を行っている。DCマイクログリッドでは、運用コストや発電効率などから、電源に最適な経済的ディスパッチを与えることにより、コストを最小限に抑え更なるマイクログリッドの効率化につながる。本稿では、電源のデューティー比のゲインを操作しシステムを効率よく最適に運用させるための安定化制御手法として、固有値解析に基づき一定の時間間隔で制御ゲインを最適化する手法を提案する。