電力流通設備の一つである送電線は山間地から市街地まで様々な地域を通過しており,山間地周辺では,電力の安定供給のため送電線と樹木の離隔を確保する必要がある。現在,送電線と樹木の離隔確認は,目測,光波等による地上測定ならびにヘリコプターに搭載したレーザシステム(以降,ヘリレーザと呼ぶ)による計測を実施している。目測はばらつきが大きくかつ,山間地では送電鉄塔まで徒歩で向かい,さらに送電鉄塔上で確認する必要があること,へリレーザについてはあらかじめ計画された広範囲かつ大量の樹木の離隔計測には最適であるが,ある特定の場所等,ピンポイントの計測では1箇所当たりの計測費用が割高となり,さらに,分析に時間がかかる等,急な計測には対応が難しいといった課題がある。一方で,近年,無人航空機の普及が進hだことで,無人航空機の空撮写真等からSfM/MVS(Structure from Motion/Multi-view Stereo,以降,SfM処理と呼ぶ)により三次元点群モデルを作成するソフトウェアの取り扱いが容易となり,無人航空機による空撮測量を実施できる環境が整備されつつある。本報告では,無人航空機の空撮写真とSfM:処理技術を活用した送電線と樹木の離隔計測の適用検討·評価を行った。
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