将来の配電系統の高度化に関する基礎検討 その1 配電系統の部分昇圧の有効性

摘要

2012 年に始まった固定価格買取制度に伴い，我が国では太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入が拡大している。太陽光魂電が大量導入された配電系統では電圧上昇などの問題が発生する可能性があり，常時の電圧管理·維持を適切に行う必要がある。既存の配電機器を利用した制御手法などの研究·技術開発がさかhに行われているが，20 年後や 30 年後といった将来にわたって技術的にも経済的にも優れた配電系統を実現していくためには，全く新しい配電網を構築していく必要がある。本稿では，我が国の将来の配電系統のあるべき姿を明らかにすることを目指し，配電系統高度化の方策を提案する。従来からある配電用の電圧調整機器を用いた電圧制御だけでなく，配電系統の電圧階級を部分的に昇圧する部分昇圧による配電系統の常時および非常時の電圧管理·維持の実現可能性および有効性について検討する。