膜面法線方向磁場中における高周波キャリア型薄膜磁界センサの検出感度

摘要

リチウムイオン電池のセパレータや医薬品，高純度セラミックスなど粒径数十マイクロメートルの微粒子が 1 個でも混入することが品質管理上問題となる製造物が増えている。特に，エネルギー貯蔵デバイスとして普及が拡大しているリチウムイオン電池においては，陽極と陰極を隔てるセパレータ層に導電性の異物が混入して絶縁破壊を引き起こすことが致命傷となりうる。天然由来の原材料に含まれる鉄系の微粒子異物，原材料を搬送，粉砕する工程で混入する機械装置やパイプ等の鋼材磨耗粉など，混入する微粒子は，磁性体であることが多く，今後展開が加速すると予想される急速充電型のリチウムイオン電池では，より薄いセパレータの適用が要求されるため，微粒子異物の検出と除去は，現在以上に重要な課題になると予想される。