2軸方向磁場測定による抵抗型YBCO超伝導限流器素子の通電特性評価

摘要

ホール素子による磁場測定は、非接触·非破壊的であるため超電導薄膜における電流分布測定などに用いられている。しかし、ホール素子測定法を用いる場合、2次元平面の磁場分布は得られるものの、その多くは磁場の垂直成分だけを測定するために超電導体における電流分布や臨界電流密度算出の精度が低くなる。そこで、本研究では、臨界電流密度や通電電流の空間的分布についてより正確に測定·評価するために2軸方向の磁場成分（Bz,Bx）を同時に測定する方法を提案する。この測定方法を用いてミアンダ形状及びバイスパイラル形状を有する抵抗型YBCO超電導限流器素子における通電電流による自己磁場の垂直成分と水平成分を同時に測定することによって上記2種類の限流器素子における直流·交流通電時の偏流現象について検討したのでその結果を報告する。