多軸クリープ疲労寿命に及ぼす非比例負荷の影響

摘要

各種発電所で使用される圧力容器·配管，熱交換器などの機器では，高温域における機械的負荷や熱的負荷によって，クリープ疲労が発生している．また，条件によっては複雑な負荷状態となり，破断に至る危険性が指摘されている．主応力·主ひずみの軸方向が時間的に変化する，いわゆる非比例多軸負荷を受ける構造材料の疲労寿命は，単軸負荷のそれに比べて，著しく低下することが報告されている．したがって，多軸クリープ疲労を受ける構造材料の変形·破壊挙動を求めるとともに，適切な疲労強度評価手法の構築が必要である．本研究では，2種類の高クロム鋼を用いて，引張圧縮負荷と繰返しねじり負荷を組み合わせた非比例負荷下における多軸クリープ疲労試験を実施し，多軸繰返し負荷下での疲労強度データを取得するとともに，繰返し変形特性および疲労寿命特性について考察した．さらに，ひずみ速度（クリープ）を考慮した非比例多軸低サイクル疲労寿命評価式を提案し，その適応性について検証した．